津市久居アルスプラザ開館1周年記念  森谷重夫 洋画展

津市久居アルスプラザ開館1周年記念  森谷重夫 洋画展

6月5日(土)~13日(日)    津市久居アルスプラザ ギャラリー(津市)

 

初代三重県洋画協会会長故森谷重夫氏の回顧展です。1940年代から2002年までの作品100号・80号大を中心に20点の油彩作品が展示されました。改めてゆっくりと拝見して感じたのですが、そのほとんどが女性像で、華麗な女性というより人間としての女性の内面を探りながら、その存在感を捉えているということです。また、繊細な筆づかいというより、体ごとモデルの女性にぶつかるような絵の具のマチエールや筆の走りが感じられます。そして、結構厚いマチエールながら50年以上経過している作品は、決して十分な保存環境にあったとは言えないのに、クラックや絵の具の剝離がみえません。氏が制作にあたり、キャンバス等の支持体や絵の具の特性、溶き油の研究を東京美術学校(現東京芸大)時代から身につけていたに違いありません。とにかく氏の郷土の作家に与えた影響や作品の存在感は、いつまでも色あせないようです。会期初日には、多くの三重県洋画協会会員が訪れていました。